大判例

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名古屋高等裁判所 昭和28年(う)51号 判決

原判決が硬銅線五十七貫余りを代金一万二千円位で買い受けた旨を判示してあるのは事実を誤認したもので、右電線は貫当り千八十円(趣意書に八十円とあるは誤記と認める)替の六万一千九百九十円で買い受け、内金として一万二千円を支払つたものであると主張するので案ずるに、被告人の検察官に対する供述調書には、右銅線は、五十七貫四百匁あり、一貫千八十円替で代金合計六万一千九百九十円で買い、直く現金を渡した旨の供述記載があり、証人毛利吉夫に対する尋問調書には、右銅線は貫当り六百円として、二十貫分一万二十円だけ代金を貰つたか、残金は未だ貰つてない旨の供述記載があるので、右証拠によつて、原判示のように代金一万二千円位で買い受けたものであると認定することは困難であり、毛利が仮りに金一万二千円を受け取つているものとすればその金額は内金であるというべきであるから、原判示はこの点について事実を誤認しているけれども、賍物故買罪は賍物をその情を知りながら売買その他の有償行為によつて取得することによつて成立するものであり、その買受代金額及び代金授受の点はその構成要件ではないので、罪となるべき事実に該らないものというべく、右の事実誤認は判決に影響を及ぼさないことが明らかである。

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